章 17

彼を見つめ続けていると、彼が話を続けた。

「っていうか、俺、ステージで何回かトチると思うんだよな。そしたら、お前がちょっと固まってもごまかせるかも? わかんないけど。まあ、お前を一人で舞台に取り残したりはしないから。結局、俺たちチームだしな。それに」

彼ははにかんだような笑みを浮かべた。

「お前の演技、本気で見たいんだ。そのためにお前と同じ舞台に立たなきゃいけないなら、やろうぜ……まあ、セリフ何回かトチると思うけどな、ははっ」

ああ。

胸の奥と顔が、カッと赤く沸騰するようだった。

……どうりで、あんなにたくさんの女の子が彼に夢中になるわけだ。

* * *

次の日、部活に戻った私は...

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